フジエテキスタイル

フジエテキスタイルは日本のデザインテキスタイルメーカーです。1885年に創業し、196…

フジエテキスタイル

フジエテキスタイルは日本のデザインテキスタイルメーカーです。1885年に創業し、1960年代よりデザインカンパニーとしてクリエーションを開始しました。Simple&modern 洗練された「日本の美意識=シンプル」と「現代の美=モダン」を大切にものづくりを続けています。

マガジン

  • 課外活動 テキスタイルクラブ

    フジエテキスタイルの課外活動「テキスタイルクラブ」の記録です。 布のたのしみ方、つかい方、そもそも布の役割って? いろいろな人が境なく集まりテキスタイルに触れてその可能性を探ります。 ご興味のある方は、コメントや参加希望のご連絡お待ちしております!

  • 布を学ぶtextileStudy

    布をテーマに、糸や織、デザインの秘話などを伝える読みものコンテンツです。

最近の記事

課外活動 テキスタイルクラブ #1

2024年3月7日に、フジエテキスタイルの課外活動、テキスタイルクラブの第1回を行いました。 テキスタイルクラブとは… 布のたのしみ方、つかい方、そもそも布の役割って? いろいろな人が境なくテキスタイルに触れて、その可能性を探る活動です。 初回はツバメアーキテクツさんを会場に、プリントをテーマにお話ししました。 テクスチャー×プリントの実験 フジエテキスタイル室脇:今日は色々なテクスチャーの生地をお持ちしました。織りの段階からさまざまな技術を使って、素材にバリエーシ

    • ウール素材のリサイクル イタリア プラートに伝わる持続可能な布づくり

      布を学ぶtextileStudy no.41 ウールならではの高級感と温もりを感じる風合い、そして深みのある美しい発色が魅力の[タイム]。この生地を構成するウールには、イタリアの一大テキスタイル産地、Prato(プラート)の工場で再生されたリサイクルウールが使用されています。 アメリカやヨーロッパ各地から集められた衣類やメーカーから出される切れ端、規格外のウール素材などを、上質なリサイクルウールへと蘇らせる伝統の技術。 プラート地域における繊維産業の歴史は12 世紀までさ

      • 前例なきグラデーションへの挑戦―理想を叶えた印刷のプロ集団

        布を学ぶtextileStudy no.40 ボトムからトップへ移ろう美しいグラデーションが魅力のテキスタイル、[ナミノアヤ]。波によってつくられる水面の模様がデザインされた涼やかなトランスペアレンスです。ベースクロスに施された不規則なシワ加工が生地に立体感を生み、描かれたグラデーションにも豊かな陰影を与えています。 折り目をつけた生地に繊細なグラデーションを描き出すという、ハイレベルなカラー表現を手がけたのは、日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社(以下、日本写真印刷

        • ヒト、モノ、空間の親和性〈都内オフィスのデザイン事例〉

          布を学ぶtextileStudy no.39東京を拠点とするデザインスタジオ「Canuch inc.」(株式会社カヌチ。以下、Canuch)が 手がけた、都内オフィス(以下、B Office)のミーティングルーム兼ラウンジ。シックなトーンでまとめられた内装にシンプルで洗練された家具が配置され、カーテンから漏れる外光が室内へ柔らかな陰影を落とします。 「会議室2部屋と“いい感じ”のスペースをつくってほしい」。 クライアントの抽象的な要望を丁寧な対話で紐解いて導き出した答えは、

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        記事

          パリ装飾美術館が“ミラクル!”と驚嘆 革新のテキスタイル

          布を学ぶtextileStudy no.38 今回は前回のつづきです↓ 「炭酸デザイン室」と京都「西陣 岡本」の共同制作により誕生した[光る山]。色鮮やかな森や山々が西陣織金襴で表現された3 反の反物は、2018 年開催のパリ装飾美術館の企画展「ジャポニスムの150 年」で展示されました。 デザインを手がけた「炭酸デザイン室」は、デザイナーの水野智章さん、水野若菜さんよるデザインユニット。[光る山]に描かれた風景は、若菜さんの実家である「立木観音 立木山安養寺」(滋賀県

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          千二百年の歴史と輝き 西陣織金襴

          布を学ぶtextileStudy no.37 古来より京都に伝わる「西陣織」は、美しく染められた色糸で紋様を織り上げていく伝統工芸。絣・綴・経錦・緯錦・緞子など、高度な技法を凝らし、多品種少量生産される高級絹織物として知られています。 古墳時代から織られ始めた「西陣織」の中でも金糸、箔糸を使用する「西陣織金襴」は風合いが一段と豪華で、約1200 年前の平安時代には盛んに織ら れるようになります。浄土信仰の隆盛により、西陣織金襴は「極楽」を表現する絢爛な荘厳具として神社仏閣

          千二百年の歴史と輝き 西陣織金襴

          フィンランドの日常を切り取る 吉澤葵さんの世界 

          布を学ぶtextileStudy no.36 今回は、フィンランド・ヘルシンキ在住のテキスタイルアーティスト・デザイナー、吉澤葵さんをご紹介します。 北欧の湖畔に自生する葦が幻想的なシルエットで描かれる[アシベ]。 ナチュラルな素材感のベース地に浮かび上がるジャカート織、その柔らかな手触りとドレープ性が魅力のテキスタイルです。 デザインを手がけたのは吉澤葵さん。 [アシベ]以外にも、空から舞い降りる雪がモチーフの[ルミ]、木の枝を描いた[プー]など、フィンランドの自然から

          フィンランドの日常を切り取る 吉澤葵さんの世界 

          箱根の新しい過ごし方 貸切景観とモダンインテリア

          布を学ぶtextileStudy no.35 今回は、神奈川・箱根の貸切別荘に使われたテキスタイルをご紹介します。 箱根を代表する観光名所のひとつ、仙石原ススキ草原から徒歩約5分に位置する「NOIE HAKONE SENGOKUHARA」。 MUJI HOTEL、新宿の温泉旅館「由縁」など、さまざまなホテルを設計・運営するUDS株式会社が手がけたバケーションレンタル(貸切別荘)です。 開発コンセプトは「Gift & Style」。1,600平米の広い土地にゆったりと建て

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          顔をうずめたくなるベルベット

          布を学ぶtextileStudy no.34 上品なツヤのベルベットに浮かぶ、トラディショナルなヘリンボーン柄。 [カグラ]という名のテキスタイルは、シンプルな意匠ながら、豊かな質感と風合いが上質さを伝える一枚です。 ゴージャスでエレガントな印象をもつベルベットは、毛足の長さにともなう生地の立体感が美観を創出し、艶やかな光沢と色の深み、陰影などを演出できます。 インテリアテキスタイルにおいては、物性面の安定性やメンテンナンスの簡便さからポリエステル製のベルベットが多用さ

          顔をうずめたくなるベルベット

          瞬間の美を写しとる 墨流しのテキスタイル

          布を学ぶtextileStudy no.33和紙からうまれた生地に映し出される流麗なる波模様。 [シュンコク]は、京友禅の伝統技法「墨流し染」でデザインされたテキスタイルです。 墨流し染とは 「墨流し」の起源は平安時代。 川に墨を垂らし、偶発的に生まれる波形や渦模様の変化を楽しんだといわれる貴族文化にさかのぼります。 遊びを起点とした「墨流し」は、やがて詩歌を詠む台紙の装飾として利用されるようになり、意匠性が高められていきました。 その技法が布帛の染色に応用され始めたの

          瞬間の美を写しとる 墨流しのテキスタイル

          デザイナーが語る、幾何柄にしのばせた遊び心

          布を学ぶtextileStudy no.32シャープな幾何柄がモダンでスタイリッシュな[スペクトル]。じっと眺めていると、奥行きのある立方体にも見えてくる“だまし絵”のような不思議な味わいがあります。 デザインを手がけたのは、テキスタイルデザイナーの弘重宣子さん。 フジエテキスタイルとコラボレーションを始めた1990年代から現在まで、魅力あふれる多くの作品を発表してきました。 [スペクトル]のコンセプトは、空間性と3D。 「空間性を感じる立体的な幾何柄デザインを考えてほし

          デザイナーが語る、幾何柄にしのばせた遊び心

          色を取り入れるには?外部環境との調和

          布を学ぶtextileStudy no.31東京都内、多摩川のほど近くに立つマンションの一室。 小割にされていた住戸の壁がリノベーションによって取り払われ、南北に風が抜ける開放的な空間へと生まれ変わりました。 新しい部屋で“柔らかな壁”を演出するのは、フジエテキスタイルのコレクション。玄関土間と水回りスペースを仕切るレンガ色の[エマ]、広い開口には[キヌリー](現在廃番 代替品:ヤム)が使われています。 設計は「小坂森中建築」。戸建・集合住宅や、半公共的な施設を手がけてい

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          ネックレスをカーテンアクセサリーに

          布を学ぶtextileStudy no.30 繊細なレース編みのように形作られたカーテンタッセル※。 こちらは刺しゅうの技法を使って作られています。 ※カーテンタッセル:カーテンを束ねる際に使用する帯や房状のもの。 装飾性のあるものも普及している。 一般的に刺しゅうというと土台となる生地に糸を刺しその生地を彩るもので、このような糸だけでできた商品が連想されることは、まずありません。 そんな既成概念をくつがえすものづくりは、とあるファクトリーブランドとの出会いから始まり

          ネックレスをカーテンアクセサリーに

          ステンドグラスの光をテキスタイルで

          布を学ぶtextileStudy no.29繊細な生地に、美しく色づくボタニカルデザインをプリントしたトランスペアレンス「グラスガーデン」。 透明感を帯びたモチーフが、まるでステンドグラスのように空間を 彩ります。 幻想的に色づいた光を表現するには生地の一部を溶かして透過させる技法、バーンナウトプリントを使います。 透過した部分をステンドグラスのような美しいカラーで染めるには通常の5~10倍もの染料が必要です。 薄く繊細な生地を染めるには通常よりも沢山の染料を使用しないと美

          ステンドグラスの光をテキスタイルで

          特殊加工が叶えたメタリック感と機能

          布を学ぶtexitleStudy no.28今回は、カーテン生地にほどこす特殊な加工、スパッタリング加工をご紹介します。この加工によって、外からの視線や熱を遮る機能が加わります。 光の透過が美しいバーンナウトプリント※1の技法で描きだした植物柄の流れるようなラインが特徴のトランスペアレンス[リエール]。 グラフィックアーティスト牧かほりさんとのコラボレート商品です。 ※1 バーンナウトプリントとは、生地の一部を特殊な液体で溶かし、柄などを表現するプリント技法のこと。 華

          特殊加工が叶えたメタリック感と機能

          エレガントとナチュラル、異なる表情のカラーボイル

          布を学ぶtextileStudy no.27今回は同じ透けものでも印象が全く異なる、2種類の生地を紹介します。 1つはヴェールをまとったようなこまかな光沢が優美な[ハウ]。 もう1つは北欧風のコットンライクな素材感が特徴の[キートス]。 どちらも透け感のあるカラーボイルで、ポリエステル100%で出来ています。素材は同じ、タテ糸も同じような細くしなやかな糸を使っているのですが、一方はエレガント、もう一方はナチュラル。 印象が大きく異なるのはなぜなのか?  理由はヨコ糸のセレ

          エレガントとナチュラル、異なる表情のカラーボイル