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布を学ぶtextileStudy

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布をテーマに、糸や織、デザインの秘話などを伝える読みものコンテンツです。
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記事一覧

記憶と感情につながるテキスタイル 北欧を練りこみ暮らす、ユーザー宅へインタビュー

布を学ぶtextileStudy no.44 今回は、フジエテキスタイルの生地がどんなお家で使われているのか、ユーザーインタビューをしました。 取材に訪れたのは、海に臨み自然豊かな土地にある、Kさんご夫妻宅。純和風の住宅に北欧を練りこみながらリノベーションして生活されています。 囲炉裏の面影を残したリビングと、北欧を感じるタイルや椅子張りが目を引くキッチンスペースは、過ごす人の目線が揃うように高さレベルが調整されています。 自由さが認められる空間には、ご夫妻が選ばれた器

小林一毅が語る開発秘話 テキスタイルに魅せられて_後編

布を学ぶtextileStudy no.43 今年、フジエテキスタイルと初のコラボレーションを果たした小林一毅さん。長年、グラフィックデザイナーとして平面を中心とするクリエイティブに向き合ってきましたが、その創作の出発点は立体物、ことにテキスタイルにあるといいます。 前編の記事では、そんな彼のライフスタイルや仕事との向き合い方、テキスタイルとの関わりについてインタビューしました。後編では、この春発表した新作についてお話を聞いていきます。 今回、テキスタイル開発に1から携

小林一毅が語る開発秘話 テキスタイルに魅せられて_前編

布を学ぶtextileStudy no.42 今年、フジエテキスタイルと初のコラボレーションを果たした小林一毅さん。長年、グラフィックデザイナーとして平面を中心とするクリエイティブに向き合ってきましたが、その創作の出発点は立体物、ことにテキスタイルにあるといいます。 今回は、そんな彼の営みの根源や向き合い方と共に、コレクション「STORY5」での作品について話を聞きました。 2020年に子どもが産まれて以来、生活とともに働き方も大きく変わったと話す小林さん。会社勤めでは

ウール素材のリサイクル イタリア プラートに伝わる持続可能な布づくり

布を学ぶtextileStudy no.41 ウールならではの温もりと高級感のある風合い、深みのある美しい発色が特徴のテキスタイル[タイム]。 この生地を構成するウールには、イタリアの一大テキスタイル産地であるPrato(プラート)の工場で再生された、リサイクルウールが使用されています。 アメリカやヨーロッパ各地から集められた衣類や、メーカーから出される切れ端、規格外のウール素材などを、上質なリサイクルウールへと蘇らせる伝統の技術。 プラート地域における繊維産業の歴史は1

前例なきグラデーションへの挑戦―理想を叶えた印刷のプロ集団

布を学ぶtextileStudy no.40 ボトムからトップへ移ろう美しいグラデーションが魅力のテキスタイル、[ナミノアヤ]。波によってつくられる水面の模様がデザインされた涼やかなトランスペアレンスです。ベースクロスに施された不規則なシワ加工が生地に立体感を生み、描かれたグラデーションにも豊かな陰影を与えています。 折り目をつけた生地に繊細なグラデーションを描き出すという、ハイレベルなカラー表現を手がけたのは、日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社(以下、日本写真印刷

ヒト、モノ、空間の親和性〈都内オフィスのデザイン事例〉

布を学ぶtextileStudy no.39東京を拠点とするデザインスタジオ「Canuch inc.」(株式会社カヌチ。以下、Canuch)が 手がけた、都内オフィス(以下、B Office)のミーティングルーム兼ラウンジ。シックなトーンでまとめられた内装にシンプルで洗練された家具が配置され、カーテンから漏れる外光が室内へ柔らかな陰影を落とします。 「会議室2部屋と“いい感じ”のスペースをつくってほしい」。 クライアントの抽象的な要望を丁寧な対話で紐解いて導き出した答えは、

パリ装飾美術館が“ミラクル!”と驚嘆 革新のテキスタイル

布を学ぶtextileStudy no.38 今回は前回のつづきです↓ 「炭酸デザイン室」と京都「西陣 岡本」の共同制作により誕生した[光る山]。色鮮やかな森や山々が西陣織金襴で表現された3 反の反物は、2018 年開催のパリ装飾美術館の企画展「ジャポニスムの150 年」で展示されました。 デザインを手がけた「炭酸デザイン室」は、デザイナーの水野智章さん、水野若菜さんよるデザインユニット。[光る山]に描かれた風景は、若菜さんの実家である「立木観音 立木山安養寺」(滋賀県

千二百年の歴史と輝き 西陣織金襴

布を学ぶtextileStudy no.37 古来より京都に伝わる「西陣織」は、美しく染められた色糸で紋様を織り上げていく伝統工芸。絣・綴・経錦・緯錦・緞子など、高度な技法を凝らし、多品種少量生産される高級絹織物として知られています。 古墳時代から織られ始めた「西陣織」の中でも金糸、箔糸を使用する「西陣織金襴」は風合いが一段と豪華で、約1200 年前の平安時代には盛んに織ら れるようになります。浄土信仰の隆盛により、西陣織金襴は「極楽」を表現する絢爛な荘厳具として神社仏閣

フィンランドの日常を切り取る 吉澤葵さんの世界 

布を学ぶtextileStudy no.36 今回は、フィンランド・ヘルシンキ在住のテキスタイルアーティスト・デザイナー、吉澤葵さんをご紹介します。 北欧の湖畔に自生する葦が幻想的なシルエットで描かれる[アシベ]。 ナチュラルな素材感のベース地に浮かび上がるジャカート織、その柔らかな手触りとドレープ性が魅力のテキスタイルです。 デザインを手がけたのは吉澤葵さん。 [アシベ]以外にも、空から舞い降りる雪がモチーフの[ルミ]、木の枝を描いた[プー]など、フィンランドの自然から

箱根の新しい過ごし方 貸切景観とモダンインテリア

布を学ぶtextileStudy no.35 今回は、神奈川・箱根の貸切別荘に使われたテキスタイルをご紹介します。 箱根を代表する観光名所のひとつ、仙石原ススキ草原から徒歩約5分に位置する「NOIE HAKONE SENGOKUHARA」。 MUJI HOTEL、新宿の温泉旅館「由縁」など、さまざまなホテルを設計・運営するUDS株式会社が手がけたバケーションレンタル(貸切別荘)です。 開発コンセプトは「Gift & Style」。1,600平米の広い土地にゆったりと建て

顔をうずめたくなるベルベット

布を学ぶtextileStudy no.34 上品なツヤのベルベットに浮かぶ、トラディショナルなヘリンボーン柄。 [カグラ]という名のテキスタイルは、シンプルな意匠ながら、豊かな質感と風合いが上質さを伝える一枚です。 ゴージャスでエレガントな印象をもつベルベットは、毛足の長さにともなう生地の立体感が美観を創出し、艶やかな光沢と色の深み、陰影などを演出できます。 インテリアテキスタイルにおいては、物性面の安定性やメンテンナンスの簡便さからポリエステル製のベルベットが多用さ

瞬間の美を写しとる 墨流しのテキスタイル

布を学ぶtextileStudy no.33和紙からうまれた生地に映し出される流麗なる波模様。 [シュンコク]は、京友禅の伝統技法「墨流し染」でデザインされたテキスタイルです。 墨流し染とは 「墨流し」の起源は平安時代。 川に墨を垂らし、偶発的に生まれる波形や渦模様の変化を楽しんだといわれる貴族文化にさかのぼります。 遊びを起点とした「墨流し」は、やがて詩歌を詠む台紙の装飾として利用されるようになり、意匠性が高められていきました。 その技法が布帛の染色に応用され始めたの

デザイナーが語る、幾何柄にしのばせた遊び心

布を学ぶtextileStudy no.32シャープな幾何柄がモダンでスタイリッシュな[スペクトル]。じっと眺めていると、奥行きのある立方体にも見えてくる“だまし絵”のような不思議な味わいがあります。 デザインを手がけたのは、テキスタイルデザイナーの弘重宣子さん。 フジエテキスタイルとコラボレーションを始めた1990年代から現在まで、魅力あふれる多くの作品を発表してきました。 [スペクトル]のコンセプトは、空間性と3D。 「空間性を感じる立体的な幾何柄デザインを考えてほし

色を取り入れるには?外部環境との調和

布を学ぶtextileStudy no.31東京都内、多摩川のほど近くに立つマンションの一室。 小割にされていた住戸の壁がリノベーションによって取り払われ、南北に風が抜ける開放的な空間へと生まれ変わりました。 新しい部屋で“柔らかな壁”を演出するのは、フジエテキスタイルのコレクション。玄関土間と水回りスペースを仕切るレンガ色の[エマ]、広い開口には[キヌリー](現在廃番 代替品:ヤム)が使われています。 設計は「小坂森中建築」。戸建・集合住宅や、半公共的な施設を手がけてい