金属的な布×スチールシェードの照明 個性が光る異素材の共鳴
布を学ぶtextileStudy no.15
今回ご紹介する[オリゾン]という生地は、布でありながら金属的な、ステンレスメッシュのような素材感を目指して開発されました。
テキスタイルの新しい可能性を感じて頂ける生地です。
デザインはごくシンプルなヨコストライプ。輝きの強い糸を高密度に織り込み、シャープな印象を持たせています。
ベース部分にはタテ糸とヨコ糸の隙間を等間隔に空けながら織り上げるモックレノという技術を使い、拡大して見ると四角形の隙間が整然と並ぶ構造になっています。
均一な四角の隙間から、裏に織り込んだ光沢糸や黒糸がちらちらと見えることで、メタリックな煌めきが際立つように設計されています。
裏側に織り込まれた光沢糸は、外からの視線を遮るミラー効果と紫外線をカットするUVカット機能を備えています。プライバシーを守るとともに、室内の家具や調度品を日焼けや色褪せから守ります。意匠性に加えて実用性にもこだわった機能性テキスタイルです。
生地特有の金属的な表情を最大限に活かし、フラットカーテンやシェードスタイルに仕立てれば、近年人気のブラインドやロールスクリーンよりもお手入れしやすく、スタイリッシュでモダンな窓まわりに仕上がります。
金属的な[オリゾン]をどんなインテリアシーンで使用するのか。
コーディネートでおすすめしたいのが、幾何学的なフォルムが美しいペンダントライト、H・F Seriesです。
照明のシェード部分というと、ガラスや樹脂製のものが多く普及していますが、スチール製のものとの組み合わせをおすすめします。
H・F Seriesは1960 年代から1970 年代にかけてデンマークで製造されていたシリーズを復刻したもので、多層的なデザインのシェードは、スチールプレートを一枚一枚手作業で溶接して形づくられています。
そのままでもオブジェのような存在感がありますが、点灯するとそれぞれの面にグラデーション状の陰影が現われ、やわらかな光を放ちます。
H・F Series の繊細な光を受けて、煌めきのコントラストを増す[オリゾン]。スチールの造形が美しい照明と、布なのに金属的なカーテン、二つの個性が共鳴し、クールでスタイリッシュな空間を演出します。
取材協力:株式会社YAMAGIWA