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エレガントとナチュラル、異なる表情のカラーボイル

布を学ぶtextileStudy no.27

今回は同じ透けものでも印象が全く異なる、2種類の生地を紹介します。

1つはヴェールをまとったようなこまかな光沢が優美な[ハウ]。
もう1つは北欧風のコットンライクな素材感が特徴の[キートス]。

どちらも透け感のあるカラーボイルで、ポリエステル100%で出来ています。素材は同じ、タテ糸も同じような細くしなやかな糸を使っているのですが、一方はエレガント、もう一方はナチュラル。
印象が大きく異なるのはなぜなのか? 
理由はヨコ糸のセレクトの工夫にあります。

ハウ(ブラウン色)

光沢のある[ハウ]のヨコ糸には、髪の毛よりも細い極細の糸、繊細な光沢糸、透明フィルムのようなツヤのある糸の3種類の糸を使用して、こまやかなストライプのように織り上げています。その効果によってチラチラとした繊細な光沢が生まれます。

ナチュラルホワイト、シャンパン、ナチュラルといったベーシックカラーのほかに、モーヴや赤みを帯びたブラウン、新色のプラチナを加えた6配色で展開しています。インテリアシーンとしては、モダンな空間にはもちろん、その光沢感からエレガント、ラグジュリーなシーンにも合わせやすい生地です。


一方[キートス]のヨコ糸は、インテリアではほとんど使用しないきわめて細いコットンライクな糸を使い、ソフトな風合いと繊細なナチュラル感を実現しています。
また、発色に深みのある先染糸を使用し、2色のヨコ糸を使用することによって、さらに奥行きのある色合いを醸しだしています。
透明感のあるクリアなピンクやイエロー、ブルーなど明るくきれいな色目を含む7配色を展開しています。

ポリエステル製でメンテナンスがしやすい、寸法変化率が低いなどのメリットがありながら、綿のような柔らかなさわりごこちが特徴で、ナチュラルな空間におすすめしたいテキスタイルです。

キートス


また、エレガントな[ハウ]をナチュラルなインテリアに合わせてきらめきをプラスしたり、ナチュラルな[キートス]を光沢のあるドレーパリーに合わせて上品なナチュラル感をプラスするなど、あえて逆のテイストと合
わせることで質感のミックスを楽しむコーディネートもおすすめです。

同じような色味でも、糸使いによって生地の印象は大きく変わるので、部屋にテキスタイルを取り入れるときはそんなところも見て頂けると面白いかもしれません。


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