唯一無二の輝きは、糸と織りの工夫から
布を学ぶtextileStudy no.12
光沢のある生地は、上質感やラグジュアリー感を演出する効果があり、ホテルやサロンのような落ち着いた空間に好んで使われます。
一口に光沢といっても、生地によってその輝きはさまざま。
私たちフジエテキスタイルにも、多様な光沢生地がありますが、なかでも「ほかにはない輝き」というお声をいただいているのが[ツキマチ]です。
既存の商品のどの輝きとも異なる「これまでにない光沢感」を追求して生まれた無地の遮光ドレーパリー※。冴え冴えとした月光のような、薄く氷
を張ったような、冷たいけれど情緒のある繊細な輝きを放っています。
※カーテン業界では、厚手のカーテン生地のことをドレーパリーと呼びます。遮光ドレーパリーは、光を遮る機能を持った厚手のカーテン生地です。
独特の輝きは糸と織り組織の工夫から生まれます。
糸には、蚕の繭からとった生糸の細さをめざして作られた、髪の毛よりも細く透明感のあるブライト分繊糸を使っています。あまりに細く、織るのにたいへん手間がかかりますが、非常に繊細な輝きを放つ糸です。
そんなブライド分繊糸の光沢が生地表面で感じられるように、タテ糸として用意し、朱子織というタテの糸が表面に多く出る織り方で織りあげています。
透明感のあるブライト糸が透き通った光の膜のように仕上がり、その向こうに、絣調に染めた中面の糸が透けて見えることで、色の濃淡によるニュアンスが生まれています。
夜の光のなかでより美しく
透明感と静けさに満ちた上品な輝きは、夜の光のなかでいっそう美しさを増すのも特徴です。ダウンライトなど間接照明の穏やかな明かりを受けて、しっとりとした輝きがより際立ちます。
遮光機能を活かして寝室に取り入れれば、眠りに誘われるまでのひとときを寛いだ気分で過ごせそう。
ウォールナットの床材やダークトーンのアクセントクロスを使った落ち着いた色調の空間によく映えるので、重厚感のある書斎などにもおすすめです。