超収縮糸が叶えた立体プリーツ テキスタイルの隠れた名作
布を学ぶtextileStudy no.17
整然と繰り返されるプリーツの繊細な陰影と、凜とした表情が美しい[オウトツ]。
遠目に見ると無地調のストライプ柄のようにも見えますが、タテのラインに立体感がある、とても珍しいプリーツ状のテキスタイルです。
プリーツに立体感をだすのは難しい技術ですが、熱によって大幅に縮む特殊な「超収縮糸」と呼ばれる糸を使い、その性質を巧みにコントロールすることで、縮んだ部分が均一な凸状に盛り上がり、端正なプリーツになるようにつくられています。
最終的に148cm巾の生地に仕上げるために、織りの段階では200cm 巾で織り上げるという贅沢なつくりかたをしています。
そのようにして生まれた[オウトツ]は、
ほどよい厚みがありながら軽く、ドレープ性が良くシワになりにくい、左右に寄せたときにプリーツに沿って畳まれるようにすっきり収まるなど、カーテンに求められるさまざまな要素を満たしている点でも優れています。
シンプル&モダンを象徴する、プロファイルの隠れた名作として、根強い人気がある一品です。
シンプルを極めた
普遍的なコーディネート
上の写真は、フィンランドのインテリアブランド、アルテックのスツール60を配した施工例。
1933 年にアルヴァ・アアルトがデザインしたスツールは、アルテックを代表するデザインのひとつとして、今も豊富なバリエーションで展開され、愛され続けているロングセラー商品です。
シンプルで機能的、どんな環境にも馴染む使いやすさ、という点で
相通じる[オウトツ]と合わせ、流行にとらわれない、シンプルで普遍的なコーディネートに。