布を学ぶtextileStudy no.7

フジエテキスタイルは、才能豊かなクリエイターを起用したコラボレーションにも力を入れています。
近年活躍がめざましいグラフィックアーティストの牧かほりさんもそのお一人。

「デザインカンパニーであるフジエを強く印象づけるインパクトのあるものを作りたい」との思いでコラボレーターを探していた2013 年、花や人を独特のタッチで描く牧さんの作品に出合い、アプローチ。
牧さんにとってテキスタイルへの展開はこれが初めての試みとなり、以来、共にものづくりに取り組んでいただいています。

おもに植物をモチーフに大胆で華やか、生命力に溢れたグラフィック作品を発表している牧さん。
さまざまな分野の企業やアーティストからのオファーに応え、活躍のフィールドはアパレル製品、音楽CD のジャケット、百貨店のウィンドウディスプレイなど、平面だけでなく映像や立体、空間などにも広がっています。

近年はアップルなど世界的企業との共作を機に、デジタル作品にも力を入れており、ますます注目度が高まっています。

アートのようなテキスタイルで　
空間に魔法をかける

[グラスガーデン]は、光沢のある極細の糸で織り上げたグランドの全面を覆うように生い茂る蔓草がモチーフ。牧かほりさんによるデザインです。

生地を部分的に溶かして透かし模様のように際立たせるバーンナウトプリントの技法で描き出しています。

木の葉の色がステンドグラスのような透明感を帯び、光を通すとシルエットが木漏れ陽のように影を落とし、森の中にいるような心地に。

カタログやwebサイトのメインビジュアルとして鮮烈な印象を放つ[カイ]は、牧さんの作風がよりダイレクトに伝わる一枚。
花咲き乱れる密林の水辺に憩う水鳥たちをタテレピート220cmの大きさでダイナミックに描いた3ｍヨコ使いのトランスペアレンスです。
水彩画を思わせるプリントは、インクジェットプリントならではの繊細で鮮やかな色彩を実現しています。

華やかさの中に幻想的な雰囲気が漂い、空間全体が牧さんの世界観に包まれる、アート作品のようなチカラのあるテキスタイルです。